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Mechanism of radiation-induced
non-targeted effects |
Dr. William F. Morgan
Professor and Director of Radiation Oncology, University of Maryland
School of Medicine
最近、放射線治療の効果や放射線による発がん機構を考える上で極めて重要な知見が報告された。放射線による非標的効果(直接照射を受けていない細胞に誘導される生物影響)の誘導の発見である。非標的効果には、直接照射を受けていない細胞で見られる細胞死や染色体異常あるいは突然変異の生成などが含まれる。Morgan博士は、世界に先駆けて放射線による遅延性のゲノム不安定性の誘導を証明したこの分野では著名な研究者である。セミナーでは非標的効果の誘導機構について現在までに得られた知見を総括し今後の展望を考察する。
Radiation induced thyroid
cancer |
Dr. Yuri E. Nikiforov
Professor, Department of Pathology and Laboratory Medicine,
University of Cincinnati College of Medicine
チェルノブイリ原発事故後に小児甲状腺がんが急増したことは、よく知られている。しかし、その発がん機序については、十分に理解されていない。Nikiforov博士は、小児甲状腺がんの組織を用いて、放射線誘発甲状腺がんに特徴的にみられる遺伝子変異を明らかにし報告した。また、どうして甲状腺組織・細胞にだけ放射線被ばく後に特異的な特定遺伝子の再配列異常が起こるかを世界で始めて証明した研究者である。このセミナーでは、すべての発がん研究のモデルとなる放射線誘発甲状腺がんの発症メカニズムについて現在までに得られた知見を発表していただく予定である。 |