受精卵由来の胎生幹細胞(ES細胞)株や骨髄に存在するといわれる成体多能性前駆細胞(MAPC)株など、多臓器への分化能を持つ細胞の試験管内増幅とその自由な分化誘導が可能となれば、急性放射線障害を克服できる再生医療の臨床応用の理論的基盤を形成できる。このような再生医療は、未だ基礎研究段階にあり、わずかに骨髄細胞による血管再生医療が臨床的に応用され、効果を上げ始めている段階である。基礎研究、前臨床試験、展開医療、臨床応用を共同で推進する。肝・膵などの内胚葉臓器、造血器・心筋・骨格筋・骨・軟骨・血管・皮膚などの間葉系臓器、神経細胞などの外胚葉臓器の再生を目指して基礎研究を展開すると共に、自家骨髄細胞による血管再生医療の臨床応用を平成16年度内に開始する予定である。
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