ごあいさつ            


日本計算機統計学会第16回シンポジウムの開催にあたり、実行委員会を代表してご挨拶申し上げます。

開催地の長崎は、鎖国時代西洋に開いていた唯一の窓口であり、西洋医学発祥の地であります。本シンポジウムの開催にあたり、このような長崎の特徴を参加者の皆様に伝えられるような企画を心がけました。

特別講演はお二人の先生にお願いしました。長崎総合科学大学人間環境学部教授のブライアン・バークガフニ先生には、「石に刻まれた国際港長崎の秘話」と題して、あまり知られていない長崎の国際交流史をご紹介していただきます。先生はカナダのご出身ですが、1973年に京都で臨済宗に入門得度され9年間禅の修業をされた方で、1992年にはNHK大河ドラマ「信長」にイエズス会神父役で出演されました。医療情報学の泰斗、開原成允先生には、「日本における臨床研究とEvidence」と題して、日本においてEvidenceを作る努力がこれまで疎かにされていたこと、その理由は何か、今後どうすればよいかなどについてご講演いただきます。開原先生は、日本医療情報学会の前会長ですが、東京大学医学部教授、国立大蔵病院院長を歴任され、現在、(財)医療情報システム開発センター理事長および国際医療福祉大学副学長でいらっしゃいます。

また、「ポストゲノムと計算機統計(仮題)」「母集団薬物動態解析における計算機統計学の課題(仮題)」と題する二つの特別セッションI、IIを企画していただいています。特別セッションTでは、先端の研究者をお招きして、ポストゲノム研究の現状と問題点、そして今後の展望を概観していただき、さらにポストゲノム研究における高度データベースや情報処理技術開発の現状と将来、計算機統計学が果たす役割と課題等について論じていただきます。特別セッションUでは、母集団薬物動態解析学とは何か、またそれが現実世界において有する意義について解説していただき、そこにおける計算機統計学上の課題について議論していただきます。

この他、ソフトウェアのデモンストレーションおよび一般講演と、多彩なプログラムを計画しています。

長崎市内・県内には多数の観光スポットがあります。シーボルト、グラバー、坂本龍馬など、幕末・明治に活躍した内外の人物の足跡も多数あります。また、会場の長崎大学医学部は爆心地から500メートルほどのところに位置しており、近くには原爆資料館があります。観光だけではなく、食事もお楽しみいただけます。長崎の魚の美味さは定評のあるところです。学会翌日は土曜日で月曜日まで休日になっています。ホームページには市内・県内の観光関係のURLも掲載していますので、ご利用ください。

今秋、多数の皆様にお目にかかれることを願っております。

                            
日本計算機統計学会第16回シンポジウム
                                     実行委員会委員長 柴田義貞