長崎大学原爆後障害医療研究所 災害復興科学分野(原研復興)

スタッフあいさつ

准教授 折田 真紀子

准教授 折田 真紀子 准教授 折田真紀子
 原爆後障害医療研究所災害復興科学分野の准教授に着任しました折田真紀子と申します。どうぞよろしくお願いします。
 私は、平成22年に長崎大学医学部保健学科を卒業後、医歯薬学総合研究科保健学専攻の大学院生となり、高村昇教授のご指導の下、重症心身障害児における心拍変動解析や地域保健活動に関わらせて頂きました。特に、国立病院機構長崎病院では、森俊介先生、平松公三郎先生のご厚情の下で、地域で暮らす重症心身障害児への生活支援に関わらせて頂き、保健医療福祉の統合的な連携の重要性を勉強させて頂きました。
 また、修士課程在学中は、放射線専門看護師養成コースのカリキュラムの中で、主に放射線に関する保健、被ばく医療学を学びました。特に平成24年春からは東日本大震災に伴う福島原発事故の影響を受けた福島県川内村で放射線に関する保健活動をさせて頂くことになり、平成25年春から長崎大学は本格的に川内村に復興推進拠点を設置しましたが、私は原爆後障害医療研究所の大学院生および医歯薬学研究科看護学講座の助教として、遠藤雄幸村長、猪狩貢副村長、井出寿一復興推進課長(当時)、秋元賢保健福祉課長(当時)、山下俊一先生、浦田秀子先生、高村昇先生のご指導の下、拠点活動に関わらせて頂きました。
 現在、川内村が帰還してから6年目を迎えていますが、村への帰還率は80%を超えたと伺っています。川内村は、これまでの復興の過程で、多くの皆さんの時間と努力を必要としたことだろうと思いますが、私に人情の温かさ、自然の豊かさ、一人ひとりの力によって地域が構成されていくことなどを教えてくれました。また、行政と専門家、住民の皆さんとが協力することで、原子力災害からの復興を進めていくことができるのではないかと教えてもらいました。あらためて川内村で活動させて頂いていることに、心から感謝申し上げます。特に川内村の皆さんには、日ごろから拠点活動にご協力を頂き深謝申し上げます。
 今後は、原研復興教室の一員として、放射線に関する地域保健活動と福島復興に資するエビデンスの構築に少しでもお役に立てるよう努力し、将来的には、被ばく医療や原子力防災に関する地域医療・国際保健に少しでも貢献していきたいと考えています。今後ともご指導ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。

准教授 松永 妃都美

准教授 松永 妃都美 准教授 松永 妃都美
 2020年の4月から原研復興に着任いたしました松永妃都美と申します。
 私は総合病院等での臨床看護を約7年間経験したのち、佐賀大学で保健師免許を取得しました。それからは保健師として、乳幼児やがんの健診事業、特定保健指導など公衆衛生に従事しています。また佐賀大学では地域・国際保健看護学分野に所属し、新地浩一教授より国際緊急援助活動、災害医療・災害看護について豊饒なご指導を賜りました。
 私が放射線看護の重要性を痛感した契機は、東日本大震災の被災者を対象とした質的研究を行ったことでした。私は当時、何の心配もなく子育てを楽しんでいましたが、同じように子育てを楽しめたはずの面接対象者が“インターネットや有識者の話を聞いて、子どもを被ばくさせた罪悪感や子どもの健康影響を懸念して辛い”という経験をしていたことに強い危機感と問題意識を持ちました。この時の経験が活動や研究の原動力になっています。
 長崎大学医歯薬総合研究科の博士課程では、高村昇教授にご指導いただき、リスクコミュニケーションについて卓越したご指導を頂きました。
 日々、専門家として、科学者として未熟であることを痛感していますが、少しでもみなさまのお役に立てるよう精進する覚悟をもって原研復興に所属させて頂いています。ご指導ご鞭撻を賜りますよう、どうぞよろしくお願いいたします。

助教 柏﨑 佑哉

助教 柏﨑 佑哉 助教 柏﨑 佑哉
 2021年10月より原研復興の助教に着任しました柏﨑です。臨床心理学を専門としています。修士課程を修了して神奈川県の児童相談所に勤務した1年目に、東日本大震災を経験しました。その日は、子どもたちとともに、迫りくる津波と福島第一原子力発電所事故の報道を連日、息をつめて眺めていたことを記憶しています。
 その後、2012年から福島に移住し、福島県立医科大学にて県民健康調査に携わりました。全県民、あるいは避難指示区域の住民を対象とした大規模な調査は他に類を見ない事業で、前田正治教授のもと、多職種が連携して調査・支援にあたった経験は大変貴重なものとなりました。臨床心理学では『科学者-実践家モデル(研究者としての科学性を持った心理臨床の実践家であるべきである)』という理念がありますが、県民健康調査事業を通し、住民の方と話をさせていただく中で、とりわけ放射線不安に接する際には、支援する側のたしかな知識や科学的な裏付けを持つことの重要性を実感しました。この仕事を機に、2017年より福島県立医科大学の健康リスクコミュニケーション学講座の博士課程に進学し、村上道夫先生、竹林由武先生らの指導のもと科学的研究手法を学び、メンタルヘルスとリスク認知の関連について研究しました。私のキャリアの大部分は福島での活動にあるといって差し支えなく、このような経緯を経て現在、長崎大学原研復興の復興推進拠点で活動させていただいています。高村教授には、地域の復興再生の中心地といえる環境で実践の機会を与えていただいたことに、心から感謝しております。
 震災後10年を経て、浜通り地区に必要とされていることはなにか、そこで我々にできることはなにかを模索しながら、少しでも地域復興に貢献できれば幸いです。
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