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原子爆弾による障害は、その爆風、熱線(輻射熱)、放射線の複合的な影響により生じ、その症状も非常に複雑な現れ方をしたものと思われる。特に1km以内の被爆者では熱傷を負った者の96.7%、外傷を負った者の96.9%が死亡し、無傷の被爆者でも94.1%が死亡している。すなわち原爆による初期の死亡が、熱傷や外傷のみならず、放射線の強い障害が加わった為に起こったことが知られている。
ここでは、長崎の原子爆弾が人体に与える影響について、急性原爆症(急性期~急性期晩期:被爆直後~1945年12月)、ケロイドや癌などの原爆後障害(後遺症:1946年~現在)、胎内被爆などについてその概略を解説する。病変の時期的な分類は研究者によって以下の様に種々あるが、ここでは急性期(広義)、後障害初期および後障害後期として分類する。 |
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急性期原爆症 |
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第 Ⅰ 期 : |
急性期早期、急性期:被爆直後~14日 |
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第Ⅱa期 : |
急性期中期、亜急性期:15日~35日 |
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第Ⅱb期 : |
急性期中期、亜慢性期:36日~60日 |
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第 Ⅲ 期 : |
急性期晩期、慢性期:61日~120日 |
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原爆後障害 :1946年初頭~現在 |
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後障害初期 |
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後障害後期 |
(悪性腫瘍を中心として) |
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また当研究所には長崎市在住の被爆者健康手帳保持者の被曝線量情報、検診情報はじめ、死亡などに関する情報をコンピュータに入力したデータベースとして保有している。そのデータをもとにした原爆被爆と健康についての疫学調査の結果も併せて示した。 |
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