原爆被災資料
ホーム保存資料昭和27年原爆班研究報告>九大病理學 入江英雄による実験的研究: 入江英雄、操 坦道、小野興作


昭和27年原爆班研究報告


実験的研究 (九大病理學 入江英雄)
 昭和27年度調査研究報告概要

 九州大学医學部病理學教室所属動物実験室の建物を中央研究所とし、研究協力者操及び入江両委員と共に一定量のレントゲンを照射した白鼠につき、左の分担に於て各委員が其他の協力者と研究に着手、目下これがデータを蒐集中である。

委員の分担事項
入江委員 (1) レントゲン放射事項            (2) 細菌感染に対する抵抗力の変化
(3) ビタミン
操委員 (1) 血清蛋白                        (2) 血液像
小野委員 (1) 照射動物の一般症状         (2) 病理組織學的所見
  尚原子爆彈災害調査報告集に収録せられたもの以外
其後新たな被爆者剖検報告例を得ていない

昭和27年12月3日
原子爆彈災害調査研究班委員
九州大學醫学部病理學教室
小野興作

原子爆彈災害調査研究班
委員長 塩田廣重 殿

昭和27年12月4日
   原子爆彈災害調査研究報告概要
    委員 九州大學医學部 教授 入江英雄
(1) 昭和27年11月12日及び12月3日当大学委員3名(小野、操、入江)協議会を開き、研究打合せを行ひ、次の計劃により実験研究に着手、目下実施中なり
 実験動物としてラッテを用ひ、50%致死せしめるレントゲン線量を決定し、本量を照射し、照射直后、1週后及び2週后に於ける照射後の血液中のヴィタミンC、Kの量の変化、血液殺菌力、血球数及び形態の変化、血中蛋白質、水分、血液粘稠度等の変化、尿、屎の変化、並に生存期間中の一般症状、死亡後の組織學的変化を検査する事となり、 本委員は50%致死量の決定、血液殺菌力、血中ヴィタミンC、Kの変化を追求する事を檐当した。
(2) 長崎原子爆彈被爆地区の住民に関するつき昭和23年10月まで七回に亘り血液検査は數年来中止されてゐたが、その後の変化の有無を近く調査研究するため昭和28年3月上旬長崎に出張の予定である。

所蔵 広島大学放射線医科学研究所
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