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解剖された約5000例の臓器が臓器保存室に保管され、臨床病理学的情報はコンピュータに登録され、臓器の写真を含めた剖検情報は光ファイリングシステムに保存されています。また、被爆直後より米国や日本の科学者によって調査収集された膨大な学術資料や被爆者の病理標本が、アメリカ陸軍病理学研究所(AFIP)から返還され、診察・剖検記録ファイル(約8000件)、ホルマリン固定臓器(約300症例)、パラフィンブロック(約350症例)、プレパラート(約200症例)、写真(約600点)として整理、保管されています。
収集されている被爆者の臓器や組織標本から放射線で障害を受けた可能性がある遺伝子(郡)を抽出し、その臨床病理学的な情報と共に遺伝子変異を専門とする研究者に提供出来るシステムが確立されれば、それぞれの専門的なテーマに基づいての遺伝子変異の解析をおこなう事が可能となります。このような共同研究からもたらされる科学情報は、放射線障害の遺伝子レベルでの究明へ大きく貢献し、ひいては障害の予知、予防、治療への道を確実に開くものと期待されます。 |
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