資料収集保存・解析部について:生体材料保存室
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研究目的
 
 本部門では、原爆被爆者の臨床病理学的情報や種々の組織検体の収集・整理・保存をおこない、人類が被った核兵器の想像を絶する被害の証拠を永久に展示します。さらに原爆被爆者から得られた生体材料から遺伝子抽出の新たな技術の完成を目指す研究と、その実際の抽出業務をおこない、各研究分野の専門研究者の分子生物学的解析に供します。


研究課題
 
長崎大学および放射線影響研究所において解剖された被爆者の臨床病理学的情報や、臓器および顕微鏡標本に関する情報は当研究室のコンピュータに登録し、研究に用いています。それらの情報や材料を用いて白血病をはじめとする各臓器の悪性腫瘍や非腫瘍性疾患の原爆被爆との関連性について研究をおこなっています。
長期にわたって保存されている剖検材料から、DNAやRNA抽出を効率的におこなうべく、その技術の改良と確立の為の基礎的研究に着手しています。


現状と展望
 
 解剖された約5000例の臓器が臓器保存室に保管され、臨床病理学的情報はコンピュータに登録され、臓器の写真を含めた剖検情報は光ファイリングシステムに保存されています。また、被爆直後より米国や日本の科学者によって調査収集された膨大な学術資料や被爆者の病理標本が、アメリカ陸軍病理学研究所(AFIP)から返還され、診察・剖検記録ファイル(約8000件)、ホルマリン固定臓器(約300症例)、パラフィンブロック(約350症例)、プレパラート(約200症例)、写真(約600点)として整理、保管されています。
 収集されている被爆者の臓器や組織標本から放射線で障害を受けた可能性がある遺伝子(郡)を抽出し、その臨床病理学的な情報と共に遺伝子変異を専門とする研究者に提供出来るシステムが確立されれば、それぞれの専門的なテーマに基づいての遺伝子変異の解析をおこなう事が可能となります。このような共同研究からもたらされる科学情報は、放射線障害の遺伝子レベルでの究明へ大きく貢献し、ひいては障害の予知、予防、治療への道を確実に開くものと期待されます。


業 績
 
2020年 2010年 2000年  
2019年 2009年 1999年  
2018年 2008年 1998年  
2017年 2007年 1997年  
2016年 2006年 1996年  
2015年 2005年 1995年  
2014年 2004年 1994年  
2013年 2003年 1993年~1989年
2012年 2002年    
2011年 2001年   PDFデータPDF
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