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在韓被爆者こころの健康相談・派遣報告書 |  |
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2008年6月23日〜27日の1週間、韓国ソウル市内において在韓被爆者健康相談事業の一環として、在韓被爆者こころの健康相談を実施しました。今回のこころの健康相談事業には、長崎大学医学部・歯学部付属病院精神神経科の医師10名、臨床心理士2名の計12名が参加しました。また韓国キョンヒ大学精神科の医師にも本事業に協力していただきました。 こころの健康相談を受けることに同意された181名の被爆者の方に面接を行い、翌週の6月30日−7月4日には被爆者のこころの健康度を比較対照として、非被爆者に対しても同様の面接を行い、225名の協力を得ることができました。 面接では被爆者に被爆当時の状況と現在の健康状態を中心に、これまでの体験を話していただきました。面接は精神科医師・臨床心理士と韓国語の通訳が行いました。体験談と並行して、心の健康度を測定するためにいくつかの質問にも答えていただきました。多くの被爆者は、日本での当時の生活の話、原爆の時の恐怖体験、引き揚げの苦労を話してくださいました。途中で涙ぐんだり、怒りで声を震わせる人もいましたが、多くの人は、おだやかに昔を振り返っておられました。 今回の面接を行った中で、日本で原爆にあったという事実やその時の体験や被爆に対する思いを話したことがないという被爆者が多く存在していることを知りました。差別や偏見を恐れて、周りの誰にも被爆者であることを言えず60年余り胸のうちにしまっていた苦しい体験を話していただくことが、被爆者のこころの健康に役立つと考えています。 在韓被爆者のこころの健康について、さらに詳細に検討するため、11月に韓国テグ市においても実施する予定です。 今回の調査で得られたデータをもとに、今後は在韓被爆者のこころの健康状態を調査し、在韓被爆者に対する精神的サポートについての適切なケアの確立を行なっていきたいと思います。
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