長崎大学グローバルCOEプログラム「放射線健康リスク制御国際戦略拠点」
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海外学会参加報告
 
 
第14回国際放射線研究会議 報告

放射線災害医療学研究分野 小橋川新子


 2011年8月28日から9月1日まで、ポーランド、ワルシャワにて国際放射線研究会議が行われ、これに参加した。4年に一度開催される会議とあって、様々な演題と、数多くの興味深い発表が行われていた。
 特に多くの人が集まっていた様に感じたのはノンターゲットエフェクトに関するセッションだ。放射線が当たっていない細胞への影響については、遅延的に影響が出る遺伝的不安定性や、周りの細胞が何らかしら変化するバイスタンダー効果などが知られているが、今回の学会で興味深かったのは、免疫系への放射線の影響であった。今まで日本の放射線影響学会には参加していたので、バイスタンダー効果が放射線影響にはあることは知っていたが、免疫系からのアプローチはより具体的なシグナル経路を調べられるように思われた。私はこの学会で“Radiation induces delayed mitochondrial dysfunction in normal human fibroblast cells involves Drp1-dependent acceleration of mitochondrial fission.”というタイトルでポスター発表した。この発表で私は放射線照射後遅延的に細胞内活性酸素種が増加するということを発表しているが、活性酸素種が遅延的に増加する意義については未だ良く分からない。活性酸素種は量が多ければ細胞にとって有害であるはずなのになぜ細胞はこういった放射線応答をするのか疑問だ。免疫系の活性化時にも活性酸素種が増加することを聞き、やはり何か意義があって細胞内の活性酸素種は増加しているのだろうと考えている。
 この学会に参加するにあたり、私は初めてポーランドに来た。ワルシャワの街は第二次世界大戦でほとんど建物がなくなり、今ある建物は戦後作られたと聞いたが、旧市街に行くと、昔ながらの町並みを見ることができた。そこはポーランドの人たちが復興させたのだと聞いた。その街中を歩くと、キュリー夫人の家がある。今回、キュリー夫人の家を訪れることができた。キュリー夫人は伝記で読んだくらいにしか知らなかったが、キュリー夫人は、放射は分子間の相互作用等によるものではなく、原子そのものに原因があるという事を示したということを今回の学会で初めて知った。また、これらの放射に放射能と、このような現象を起こす元素を放射性元素と名づけたそうだ。
 この学会をとおして、様々な放射線影響研究が世界中でなされていること、また、キュリー夫人の足跡を垣間見られたのはとても有意義であり、参加できて良かったと思っている。このような機会を与えてくださったことに感謝いたします。
 
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