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スピリチュアルな痛みのコントロール
−コントロール 対 解放−
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ウァルデマール・キッペス氏
臨床パストラルケア教育研修センター所長
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1990年に発行されたWHOの「がんの痛みからの解放とパリアティブ・ケア」から、「痛みのコントロール」の用語は医療界から一般社会に広がっていった。がんと同様に痛みのコントロールは身体的な事柄だけではなく、知的、社会的、心的および心と魂の(スピリチュアルな)痛みも含まれている。身体的や知的の痛みは医療、社会的痛みは家族やMSW,心的な痛みは心理士、心と魂の(スピリチュアルな)痛みはスピリチュアルケア・ギバーの領域に入ってくる。個々の痛みの種類によってはケアの方法と担当者が異なり、コントロールそのものの把握も変わってくる。身体的痛みの原因(例、がん、白血病、エイズ)に対処できなくなったときには、その痛みのコントロールが中心課題となる。だが、知的、社会的、心的や心と魂の(スピリチュアルな)痛みはコントロールよりもその原因からの解放が可能である。それによって患者の最期をセデーションによる昏睡に近い状態ではなく、意識がありつつも、内面的な安らぎの中で旅立つことが可能になりうる。 |
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