長崎大学グローバルCOEプログラム「放射線健康リスク制御国際戦略拠点」
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第81回グローバルCOEセミナー

転写制御因子NAC1の時空間的制御とがん治療への応用を目指して

浦野 健 先生
島根大学医学部病態生化学教授

 NAC1は核内に局在し、他の転写制御因子と結合して転写制御することが知られている。また、多くの悪性腫瘍において過剰発現が認められている。さらに抗癌剤に耐性を示し極めて予後不良な腫瘍のひとつである再発卵巣癌の予後はNAC1の発現量と強い相関があることを明らかになり、がん治療の標的分子と考えられる。最近ES細胞において、Nanogとの結合を介してES細胞の増殖および多分化能維持に重要な役割を果たしていることが報告された。
 NAC1にはN末端にBTB領域、そしてC末端にBEN領域が存在する。BTB領域は、BCL6、PLZF、HIC1をはじめとする多くの転写制御因子に存在し、この領域を介してダイマー形成することが知られている。したがって、NAC1のダイマー形成もまたタンパク質の機能すなわち転写制御能に必須な役割を果たしている可能性が高い。一方、C末端に存在するBEN領域は、コンピューターサーチにより相同性を有する領域として2008年に見出され、タンパク質あるいはDNAと結合する可能性が示唆されている。
 転写制御因子NAC1に存在するこれらの機能ドメインの役割を明らかにし、モノクローナル抗体作成、2分子FRET、FRAPおよびFLIP解析などの手法を用いて細胞内動態を解析した。NAC1を標的とした新規抗がん剤開発を目指している現状をお伝えし、議論できればと考えている。
 
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