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現在、原子力発電所の新規着工予定はない。新聞などでは、今後の見通しも真っ暗であり、そのおおもとがJCO事故をはじめとする不祥事に起因するとの言説が吟味なしに行われている。著者らは、JCO事故後半年以内に、原子力世論の大規模調査を行った。それによると、そのような言説は間違っていることが示唆される。この調査では、事故のあった東海村、そのほかの原発立地地域、政令指定都市(電力消費地)に分けてウエイトを変えたサンプリングを行ったが、原発立地地域と消費地では、原子力世論の相関構造が異なっていること、そして、JCO事故の世論への影響と考えられるようなものは、立地地域では認められにくかったことがわかった。講演では、そのデータの概要を解説するほか、リスク認知、リスクの社会的受容の一般的な知見と関連づけ、社会心理学的変数としての原子力世論の構造、および、今後の社会的受容のために必要な社会学的条件などについて私論を述べる。 |
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