長崎大学グローバルCOEプログラム「放射線健康リスク制御国際戦略拠点」
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海外学会参加報告
 
 
Ataxia Telangiectasia Workshop 2008・参加報告

原爆後障害医療研究施設分子診断研究分野 鈴木正敏


2008年4月22日から26日までの5日間、滋賀県大津市でATW2008が開催された。ATWは毛細血管拡張性運動失調症 (AT) の原因遺伝子産物であるATM分子を中心に、DNA-PKcsやATR、およびATMの標的因子に主眼がおかれた研究会であり、今年で24回目となる伝統のある研究会である。この研究会ではこれらの分野における世界中の著名な研究者が集まり、最新の研究成果を用いて議論する非常に活気のあふれた研究会である。今回は(1)DNA二重鎖切断認識機構の解明、(2)神経幹細胞におけるATM機能の解析、(3)AT患者に対する治療法、の3つに議論が集約されていた。

ATでは神経変性をきたすことが知られており、進行性の小脳失調が症状として観察される。すなわち、ATMが神経系において重要な役割を果たしていることが考えられる。従来は分裂増殖している細胞を対象としたATM機能解析が主流であったが、これらの結果が終末分化をむかえた神経系の細胞でも同様であるか、という点については明らかにされてこなかった。今回の研究会ではそのような点に焦点をあてた研究成果が報告され、それらの結果を総合すると、神経系の細胞ではATMの機能が神経幹細胞から終末分化をむかえるまでの発達のそれぞれのステージで異なるという統一見解が得られた。

ATMはDNA二重鎖切断を認識し、チェックポイント機構を活性化させるほか、様々な応答反応を活性化させる中心的な役割を果たしており、特に放射線生物学において解明すべき重要な因子の一つである。ATWでは世界での第一線レベルの研究成果を目の当たりにし、非常に深い感激を受けるとともに、今後の私の研究方針を見つめ直し、かつ多くの刺激を受けた大変意義深い時間であった。
 
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