原研創設50周年記念シンポジウム

 長崎大学大学院医歯薬学総合研究科附属原爆後障害医療研究施設の創設50周年を記念して、同時に設立20周年を迎えたナシム(長崎・ヒバクシャ医療国際協力会)と共催で、ナシム設立20周年・長崎大学原爆後障害医療研究施設創設50周年記念合同シンポジウムが「長崎とヒバクシャ医療-被ばく医療学の新たな挑戦:国際貢献・そして福島-」と題して、2013年2月9日と10日の両日、ベストウェスタンプレミアムホテル長崎で開催されました。
 1日目は、ナシム蒔本恭会長、片峰茂長崎大学長、中村法道長崎県知事の開会挨拶で始まり、ナシムと原研の沿革紹介、来賓挨拶に続いて、山下俊一福島県立医科大副学長兼長崎大教授による「科学技術文明の光と影:原研とナシムの世界展望」、朝長万左男日本赤十字社長崎原爆病院長による「原研における原爆後障害研究の評価と今後の課題」と題する記念講演が行われました。次いで、長瀧重信長崎大学名誉教授による「長崎を世界に」と題する特別講演が行われました。なおナシムによる第9回永井平和記念・長崎賞授賞式も執り行われ、ウクライナ医学アカデミーのミコラ・トロンコ氏が受賞しました。
 2日目は、原子爆弾被爆者指定医療機関等医師研究会の講演及びセミナーが行われ、有賀玲子厚生労働省原子爆弾被爆者援護対策室室長補佐による「原子爆弾被爆者援護行政について」、佐々木英雄広島原爆障害対策協議会健康管理・増進センター所長による「HICAREの活動及び被爆者健康管理について」、高村昇長崎大学原研教授による「長崎・ヒバクシャ医療国際協議会(NASHIM)のこれまでとこれから」、永山雄二同教授による「放射線と甲状腺がん:最近の知見」、赤星正純による「放射線被曝の影響」と題する講演が行われました。 1日目は約200名(一般公開)、2日目は約100名(医療関係者のみ)のご参加者を得て、成功裏に終えることができました。

第1日目 2月9日(土)

13:00~13:20 開会挨拶
13:20~13:30 NASHlMと原研の沿革紹介
13:30~14:10 来賓挨拶
14:10~14:55
第9回永井隆平和記念・長崎賞授賞式
賞状等贈呈式・受賞者挨拶
受賞者: ミコラ トロンコ氏
(ウクライナ医学アカデミー会員, 放射線内分泌学)
15:10~17:30 シンポジウム
記念講演
「科学技術文明の光と影:原研とNASHIMの世界展望」
福島県立医科大学副学長
長崎大学大学院医歯薬学総合研究科教授
山下 俊一
「原研における原爆後障害研究の評価と今後の課題」
日本赤十字社長崎原爆病院院長
長崎大学名誉教授
朝長万左男
特別講演
「長崎を世界に」
長崎大学名誉教授
(公財)放射線影響研究所元理事長
長瀧 重信

第2日目 2月10日(日)

9:30~9:40 開会挨拶
9:40~10:20
講演
「原子爆弾被害者援護行政について」
厚生労働省健康局総務課
原子爆弾被爆者援護対策室室長補佐
有賀 玲子
10:20~11:00
セミナーⅠ
「HICAREの活動及び被爆者健康管理について」
(公財)広島原爆障害対策協議会
健康管理・増進センター所長
佐々木英夫
11:10~12:00
セミナーⅡ
「長崎・ヒバクシャ医療国際協力会(NASHIM):これまでとこれから」
長崎大学大学院医歯薬学総合研究科教授
高村 昇
13:00~13:50
セミナーⅢ
「放射線と甲状腺癌:最近の知見」
長崎大学大学院医歯薬学総合研究科
原爆後障害医療研究施設長
永山 雄二
13:50~14:50
セミナーIV
「放射線被曝の影響」
(公財)放射線影響研究所臨床研究部長
赤星 正純

原爆被災記録展示  [ お問合せ: 長崎大学原研 資料収集保存・解析部 TEL.095-819-7123 ]

公開期間

2月9日
13:00 - 18:00
2月10日
09:00 - 15:00
テーマ 「原爆投下直後の調査と研究~原爆に学ぶ」
○ 永井 隆  「原子爆弾救護報告」原本
○ 調 来助  「原爆被災復興日誌」 原本
○ 泰山弘道  「長崎原爆の記録」 原稿
○ 調 来助  「長崎に於ける原子爆弾傷害の統計的観察」 原本
○ 調 来助  「長崎に於ける原子爆弾傷害の統計的観察」複製写真版
○ 昭和27年 「原子爆弾災害調査研究班」報告
お問合せ先: 長崎・ヒバクシャ医療国際協力会(NASHIM)
事務局 TEL:(095)895-2475
長崎大学大学院原爆後障害医療研究施設 分子医学研究分野(原研分子)
TEL:(095)819-7173
主催: 長崎・ヒバクシャ医療国際協力会、長崎大学原爆後障害医療研究施設、長崎県
共催: 長崎県医師会、長崎市医師会
後援: 厚生労働省、文部科学省、放射線被曝者医療国際協力推進協議会(HICARE)、長崎市